函館市企業局交通部

車両


30形
(1)

500形
(2)

710形
(6)

800形
(1)

8000形
(10)
7000形 (1)

 営業用車が32両、事業用車が5両の計37両が在籍している。

路線

路線名区間路線長停留所数軌間単線複線区別軌道区分架線電圧現在
本線函館どつく前~函館駅前2.9km71,372mm複線併用軌道600V営業中
函館駅前~五稜郭駅前3.4km1,372mm併用軌道600V廃止
湯川線松風町まつかぜちょう~湯の川6.1km161,372mm複線併用軌道600V営業中
宝来・谷地頭線十字街~谷地頭やちがしら1.4km41,372mm複線併用軌道600V営業中
大森線函館駅前~松風町0.5km21,372mm複線併用軌道600V営業中
東雲線宝来町~松風町1.6km1,372mm複線併用軌道600V廃止
宮前線ガス会社前~五稜郭公園前1.8km1,372mm複線併用軌道600V廃止

施設

種類名称最寄り電停見学現在
車庫新川車庫千歳町廃止
駒場車庫駒場車庫前使用中
柏木車庫柏木町廃止
梁川車庫梁川車庫前廃止
展示施設なし

運転

系統区間距離所要時間運賃運転間隔現行ダイヤ改正日
朝ラッシュ日中
2系統湯の川~谷地頭9.2km44分260円12分2010(平成22)年4月1日
5系統湯の川~函館どつく前9.3km44分260円12分2010(平成22)年4月1日

 2系統と5系統は、交互に運転しているため、湯の川~十字街は、6分間隔で電車が来る。
 乗車方法は、後乗り・前降りで、乗車時に整理券を取り、降車時に整理券を運賃箱に入れると運賃が表示されるので、その金額を支払う。箱館ハイカラ號は、前乗り・後降りで、車掌に乗車区間を告げて乗車券を購入する。

歴史

 1895(明治28)年2月25日に運輸業を目的として馬車鉄道の敷設を開始。1896年5月18日に亀函馬車鉄道(株)を設立し、1897(明治30)年4月1日に免許を受け、12月12日に東川(後の東雲町)~弁天町(現、函館どつく前)を軌間1,372mmで運行開始した。軌間を1,372mmにしたのは、東京馬車鉄道の技術指導を受けたためのようである。
 1898年8月に函館馬車鉄道(株)と社名変更、12月12日に湯の川温泉利用者の輸送を目的として東雲町~湯の川温泉を開業した。

 1911年11月、電車運転を計画していた函館水電(株)(現、北海道電力)に買収される。電気運輸業の認可を受け、動力変更と施設改良工事をし、1913(大正2)年6月29日に湯川線東雲町~湯の川温泉を電化した。10月31日に、弁天町~東雲町も電化され、全線で電車による運転になった。翌1914年5月10日に宝来町~谷地頭を開業した。その後、大森線の開通で現在の路線の基礎が出来上がる。
 1934(昭和9)年7月帝国電力(株)に社名変更、1940年7月に大日本電力(株)と合併する。戦時中の政府による電気統制を受けて、1942年 10月1日付で道南電気(株)へ譲渡され、11月には道南電気軌道(株)に社名変更する。そして、1943年11月1日に函館市に譲渡され、函館市役所交通局となった。それまでの間に1926、1934年の二度の火災で車庫や車輌を焼失し、その度毎に東京市電氣局(現、東京都交通局)より車両の補充や車体の新製を行い復旧に努めている。
 1950年9月にガス会社前~宮前町、1951年7月に宮前町~五稜郭公園前を開業し、1952年10月1日には函館市交通局に改称された。1954年 11月にガス会社前~五稜郭鉄道工場前、1955年11月に五稜郭鉄道工場前~五稜郭駅前、1959年9月に湯の川温泉~湯の川と次々と開業していった。 1964(昭和39)年に、路線長17.7km、12系統、1日約13万5,000人の人員を輸送し、ピークを迎えた。その後、モータリゼーションにより輸送人員を落としていく。

 1960年頃にそれまでの3人乗務から2人乗務に変わり、1971年8月にはワンマン化を行った。1973年10 月1日に営業時間短縮に伴い車庫の閉鎖や車両の減車が行われた。1974年には、交通事業財政再建団体の指定を受けてしまい、1978年10月31日限りでガス会社前~五稜郭駅前を廃止した。財政再建終了の1988年以降は、市長が函館市交通事業経営審議会に「本市の交通事業のあり方」を諮問した。審議会の答申を基に、「函館市交通事業健全化対策調査特別委員会」が設置される。また、「函館市の交通事業を考える市民懇談会」も設置され、検討の結果、 1991(平成3)年11月に函館市交通事業健全化計画が策定された。公営で電車を維持・存続して、健全化を進め、2001年中までに自立経営ができるようにする計画である。


東雲線お別れ花電車

 健全化計画により、1992年3月31日限りで東雲線(宝来町~松風町)を廃止し、1系統駒場車庫前~栄町~末広町の運転が無くなった。10月1日からプリペイドカードのイカすカードを導入し、対キロ区間制の運賃に変更された。さらに、1993年3月31日限りで本線函館駅前~ガス会社前、宮前線ガス会社前~五稜郭公園前が廃止され、3系統が無くなった。


箱館ハイカラ號

 1993年は、ガス会社回りが廃止される一方、前年が函館市の市制施行70周年で、これを記念して箱館ハイカラ號が復元されて運転開始。また、27年ぶりの新型車2000形、3000形が登場するなど、暗い話題が続く中での久々の明るい話題が続いた。


8100形

 2001年には、北海道遺産の認定を受けた。また、車体更新による部分低床車の導入が発表され、2002年3月から順次増備されることになった。そして、第1号車となる8101が2002年3月26日に駒場車庫に搬入され、4月22日から営業運転を開始した。これ以降、電停の改良が順次進められた。8100形は車内の段差が嫌われたためか、その後の増備は見送られている。


9600形

 2006年度には、超低床電車が導入されることとなった。アルナ車両製の2車体連接の超低床電車で、12月18日に駒場車庫に搬入され、2007年3月20日から営業運転を開始した。

 2011年は、3月28日に杉並町電停が改修されて、上屋・スロープ付きになった。4月1日に函館市公営企業の設置等に関する条例の改正により、函館市交通局から函館市企業局交通部に組織改編した。
 2012年3月23日から全車両でWi-Fiが利用できるようになった。

 消費税増税に伴い、2014年5月1日に運賃改定を行った。普通運賃の2kmまでと、4kmまでの区間を10円値上げし、その他の運賃は据え置かれている。


100周年記念イベント

 2013年6月29日に路面電車開業100周年を迎えて、記念イベントが開催された。
 2014年11月26日に函館駅前電停を改修し、函館市中心市街地トータルデザインのものになった。
 2015年11月16日に五稜郭公園前電停を改築し、函館市中心市街地トータルデザインのものになった。
 2016年は、3月1日に市民会館前の電停名を函館アリーナ前に変更し、電停の長さを延伸した。8月15日~10月31日に市電ロケーションシステムが試行された。11月15日に中央病院前電停を改築して、上屋・スロープ付きになり、バリアフリー化された。
 2017年3月25日にICカード「ICAS nimoca」を導入した。

 消費税増税に伴い、2019年10月1日に運賃改定を行った。普通運賃の2kmまでと、4kmまでは据え置きで、7kmまでと、7kmを超える区間を10円値上げしている。湯の川~函館どつく前・谷地頭では250円から260円となった。

将来

 均一料金制度導入の可能性を検討していく。電車優先信号設置を関係機関と協議していく。
 ロケーションシステムを導入する予定。
 電停の改良を進めていく予定。
 超低床電車を2021年度と2025年度に導入する予定。
 2017(平成29)年度~2026(平成38)年度に17両の車体改良を行う予定。

関連リソース