車両
営業用車が32両、事業用車が5両の計37両が在籍している。
路線
路線名 | 区間 | 路線長 | 停留所数 | 軌間 | 単線複線区別 | 軌道区分 | 架線電圧 | 現在 |
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本線 | 函館どつく前~函館駅前 | 2.9km | 7 | 1,372mm | 複線 | 併用軌道 | 600V | 営業中 |
函館駅前~五稜郭駅前 | 3.4km | 1,372mm | 併用軌道 | 600V | 廃止 | |||
湯川線 | 松風町~湯の川 | 6.1km | 16 | 1,372mm | 複線 | 併用軌道 | 600V | 営業中 |
宝来・谷地頭線 | 十字街~谷地頭 | 1.4km | 4 | 1,372mm | 複線 | 併用軌道 | 600V | 営業中 |
大森線 | 函館駅前~松風町 | 0.5km | 2 | 1,372mm | 複線 | 併用軌道 | 600V | 営業中 |
東雲線 | 宝来町~松風町 | 1.6km | 1,372mm | 複線 | 併用軌道 | 600V | 廃止 | |
宮前線 | ガス会社前~五稜郭公園前 | 1.8km | 1,372mm | 複線 | 併用軌道 | 600V | 廃止 |
施設
種類 | 名称 | 最寄り電停 | 見学 | 現在 |
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車庫 | 新川車庫 | 千歳町 | - | 廃止 |
駒場車庫 | 駒場車庫前 | - | 使用中 | |
柏木車庫 | 柏木町 | - | 廃止 | |
梁川車庫 | 梁川車庫前 | - | 廃止 | |
展示施設 | なし |
運転
系統 | 区間 | 距離 | 所要時間 | 運賃 | 運転間隔 | 現行ダイヤ改正日 | |
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朝ラッシュ | 日中 | ||||||
2系統 | 湯の川~谷地頭 | 9.2km | 44分 | 260円 | 12分 | 2010(平成22)年4月1日 | |
5系統 | 湯の川~函館どつく前 | 9.3km | 44分 | 260円 | 12分 | 2010(平成22)年4月1日 |
2系統と5系統は、交互に運転しているため、湯の川~十字街は、6分間隔で電車が来る。
乗車方法は、後乗り・前降りで、乗車時に整理券を取り、降車時に整理券を運賃箱に入れると運賃が表示されるので、その金額を支払う。箱館ハイカラ號は、前乗り・後降りで、車掌に乗車区間を告げて乗車券を購入する。
歴史
1895(明治28)年2月25日に運輸業を目的として馬車鉄道の敷設を開始。1896年5月18日に亀函馬車鉄道(株)を設立し、1897(明治30)年4月1日に免許を受け、12月12日に東川(後の東雲町)~弁天町(現、函館どつく前)を軌間1,372mmで運行開始した。軌間を1,372mmにしたのは、東京馬車鉄道の技術指導を受けたためのようである。
1898年8月に函館馬車鉄道(株)と社名変更、12月12日に湯の川温泉利用者の輸送を目的として東雲町~湯の川温泉を開業した。
1911年11月、電車運転を計画していた函館水電(株)(現、北海道電力)に買収される。電気運輸業の認可を受け、動力変更と施設改良工事をし、1913(大正2)年6月29日に湯川線東雲町~湯の川温泉を電化した。10月31日に、弁天町~東雲町も電化され、全線で電車による運転になった。翌1914年5月10日に宝来町~谷地頭を開業した。その後、大森線の開通で現在の路線の基礎が出来上がる。
1934(昭和9)年7月帝国電力(株)に社名変更、1940年7月に大日本電力(株)と合併する。戦時中の政府による電気統制を受けて、1942年 10月1日付で道南電気(株)へ譲渡され、11月には道南電気軌道(株)に社名変更する。そして、1943年11月1日に函館市に譲渡され、函館市役所交通局となった。それまでの間に1926、1934年の二度の火災で車庫や車輌を焼失し、その度毎に東京市電氣局(現、東京都交通局)より車両の補充や車体の新製を行い復旧に努めている。
1950年9月にガス会社前~宮前町、1951年7月に宮前町~五稜郭公園前を開業し、1952年10月1日には函館市交通局に改称された。1954年 11月にガス会社前~五稜郭鉄道工場前、1955年11月に五稜郭鉄道工場前~五稜郭駅前、1959年9月に湯の川温泉~湯の川と次々と開業していった。 1964(昭和39)年に、路線長17.7km、12系統、1日約13万5,000人の人員を輸送し、ピークを迎えた。その後、モータリゼーションにより輸送人員を落としていく。
1960年頃にそれまでの3人乗務から2人乗務に変わり、1971年8月にはワンマン化を行った。1973年10 月1日に営業時間短縮に伴い車庫の閉鎖や車両の減車が行われた。1974年には、交通事業財政再建団体の指定を受けてしまい、1978年10月31日限りでガス会社前~五稜郭駅前を廃止した。財政再建終了の1988年以降は、市長が函館市交通事業経営審議会に「本市の交通事業のあり方」を諮問した。審議会の答申を基に、「函館市交通事業健全化対策調査特別委員会」が設置される。また、「函館市の交通事業を考える市民懇談会」も設置され、検討の結果、 1991(平成3)年11月に函館市交通事業健全化計画が策定された。公営で電車を維持・存続して、健全化を進め、2001年中までに自立経営ができるようにする計画である。
健全化計画により、1992年3月31日限りで東雲線(宝来町~松風町)を廃止し、1系統駒場車庫前~栄町~末広町の運転が無くなった。10月1日からプリペイドカードのイカすカードを導入し、対キロ区間制の運賃に変更された。さらに、1993年3月31日限りで本線函館駅前~ガス会社前、宮前線ガス会社前~五稜郭公園前が廃止され、3系統が無くなった。
1993年は、ガス会社回りが廃止される一方、前年が函館市の市制施行70周年で、これを記念して箱館ハイカラ號が復元されて運転開始。また、27年ぶりの新型車2000形、3000形が登場するなど、暗い話題が続く中での久々の明るい話題が続いた。
2001年には、北海道遺産の認定を受けた。また、車体更新による部分低床車の導入が発表され、2002年3月から順次増備されることになった。そして、第1号車となる8101が2002年3月26日に駒場車庫に搬入され、4月22日から営業運転を開始した。これ以降、電停の改良が順次進められた。8100形は車内の段差が嫌われたためか、その後の増備は見送られている。
2006年度には、超低床電車が導入されることとなった。アルナ車両製の2車体連接の超低床電車で、12月18日に駒場車庫に搬入され、2007年3月20日から営業運転を開始した。
2011年は、3月28日に杉並町電停が改修されて、上屋・スロープ付きになった。4月1日に函館市公営企業の設置等に関する条例の改正により、函館市交通局から函館市企業局交通部に組織改編した。
2012年3月23日から全車両でWi-Fiが利用できるようになった。
消費税増税に伴い、2014年5月1日に運賃改定を行った。普通運賃の2kmまでと、4kmまでの区間を10円値上げし、その他の運賃は据え置かれている。
2013年6月29日に路面電車開業100周年を迎えて、記念イベントが開催された。
2014年11月26日に函館駅前電停を改修し、函館市中心市街地トータルデザインのものになった。
2015年11月16日に五稜郭公園前電停を改築し、函館市中心市街地トータルデザインのものになった。
2016年は、3月1日に市民会館前の電停名を函館アリーナ前に変更し、電停の長さを延伸した。8月15日~10月31日に市電ロケーションシステムが試行された。11月15日に中央病院前電停を改築して、上屋・スロープ付きになり、バリアフリー化された。
2017年3月25日にICカード「ICAS nimoca」を導入した。
消費税増税に伴い、2019年10月1日に運賃改定を行った。普通運賃の2kmまでと、4kmまでは据え置きで、7kmまでと、7kmを超える区間を10円値上げしている。湯の川~函館どつく前・谷地頭では250円から260円となった。
将来
均一料金制度導入の可能性を検討していく。電車優先信号設置を関係機関と協議していく。
ロケーションシステムを導入する予定。
電停の改良を進めていく予定。
超低床電車を2021年度と2025年度に導入する予定。
2017(平成29)年度~2026(平成38)年度に17両の車体改良を行う予定。
関連リソース
- 公式サイト
- KTT
- 外部サイト