堺市、阪堺線の支援策案提示

 堺市は、6月30日に阪堺電気軌道、南海電気鉄道に対して阪堺線の支援策案を提示した。2011年度から10年間に、総額50億円を支援するもの。今後、阪堺との協議、市民の意見募集、市議会の了承を得て、9月末までに阪堺と存続合意をする予定。これにより、近い将来に廃止の可能性があった阪堺線の堺市区間は、存続、設備の改善に向けて進むことになりそうである。

 支援策は、「利用者拡大策・運行継続に必要な経常的経費への支援」と「高度化、老朽化対策のための支援」の2つに分けられている。

 「利用者拡大策・運行継続に必要な経常的経費への支援」は、年間2億円の支援を上限として、10年間で20億円を支援する。利用者拡大策として、阪堺線と堺市都心部のバスを利用できるゾーンチケット、高齢者割引制度、大阪市内と堺市内の2区間運賃制を1区間運賃とし、それぞれ差額を支援する。運行の継続に必要な経費への支援として、施設の保安・保守経費を支援する。

 「高度化、老朽化対策のための支援」は、30億円を支援する。超低床電車の導入、電停の増設・機能改善、電車優先信号の導入、ICカードの導入、老朽化した施設の改修経費を支援する。

 上下分離方式の公設民営化の協議も今後行う。

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