東京急行電鉄

車両

 定期検査は、鉄道線の車両に関しては自力で長津田工場に入場しているが、世田谷線の車両は軌間が異なり、線路もつながっていないので、台車などはトラックで長津田工場まで運んで検査を行い、車体は雪が谷検車区上町班で行っている。

路線

玉川線渋谷~二子玉川園複線併用軌道、専用軌道廃止
世田谷線三軒茶屋さんげんぢゃや下高井戸しもたかいど5.0km複線専用軌道営業中
砧線二子玉川園~砧本村単線専用軌道廃止
天現寺線渋谷~天現寺橋複線併用軌道東京都交通局へ譲渡
中目黒線渋谷橋~中目黒複線併用軌道東京都交通局へ譲渡
溝ノ口線二子読売園~溝ノ口併用軌道、専用軌道大井町線へ変更

 軌間は1372mm、架線電圧は600V。

運転

系統区間距離所要時間運賃運転間隔(日中)
世田谷線三軒茶屋~下高井戸5.0km17分140円6分

 三軒茶屋~下高井戸の電車がほとんどで、出入庫のため数本上町発着電車がある。

乗車方法三軒茶屋、上町(上りのみ)、下高井戸から乗車の場合は、駅の改札口で運賃を払い、すべての扉から乗車できる。その他の駅は、「連結2人乗り」方式で、前後の乗務員のいる扉から乗り、運賃を支払う。降車時は、三軒茶屋、上町(上りのみ)、下高井戸はすべての扉から、その他の駅は前後の乗務員がいる扉以外から降りる
運賃均一制(140円)
※2014年4月1日以降は150円(ICカードの場合は144円)
フリー乗車券世田谷線散策きっぷ(大人320円、こども160円)
三軒茶屋、上町、下高井戸で発売
※2014年4月1日以降は大人330円、こども170円
プリペイドカード未導入
IC乗車券せたまる
※2012年9月30日で取り扱い終了
PASMO
※交通系ICカード全国相互利用対応
※PASMOとSuicaで運賃を支払う場合に、バス利用特典サービスを受けられる

歴史

 東急世田谷線は、1903年に設立された玉川電気鉄道が、1907年3月6日に道玄坂上~三軒茶屋を開業したことに始まる。4月1日、三軒茶屋~玉川(現、二子玉川)が開通、さらに、8月11日に渋谷~道玄坂上が開通し、渋谷~玉川が全通する。このとき、軌間は1067mmで、三軒茶屋~用賀は単線だった。この頃の玉川電気鉄道は、鉄道業は多摩川の砂利を東京市内へ輸送するのが中心で、電灯供給業も行っていた。変わったところでは、京王電気軌道へも電力供給している。1920年3月27日に駒沢~用賀が複線化される。そして、東京市電と乗り入れ可能とするため1372mmへの改軌が計画され、8月21日改軌のために単線運転となった。9月3日、広軌単線で運転開始、11日に上下線とも広軌化される。10月31日、上馬引沢~駒沢を複線化。1922年6月11日、渋谷~ゑびす駅前(後の渋谷橋)が開通する。1923年2月18日、三軒茶屋~上馬引沢が複線化され、渋谷~玉川が複線化される。1924年3月1日砧線玉川~砧、5月21日渋谷橋~天現寺橋を開通させた。翌1925年1月18日には三軒茶屋~世田谷を、5月1日には世田谷~下高井戸を開通させた。1927年には、3月29日に渋谷橋~中目黒、7月15日に溝ノ口線玉川~溝ノ口を開通させ、最盛期の路線網が完成した。
 1938年4月1日、玉川電気鉄道は東京横浜電気軌道と合併した。11月1日、陸上交通事業調整法に基づき天現寺線・中目黒線を東京市に経営委託する。1939年10月1日には、目黒蒲田電気鉄道が東京横浜電気鉄道を合併し、10月14日には目黒蒲田電気鉄道を東京横浜電気鉄道に社名変更。1942年5月1日、東京横浜電気鉄道は小田急電鉄・京浜電気鉄道を合併し東京急行電鉄に社名変更。1943年7月1日、溝ノ口線二子読売園~溝ノ口を大井町線に変更、軌間を1067mmに改軌。1945年10月1日、砧線二子玉川~砧、大井町線二子玉川~溝ノ口を地方鉄道に変更。1948年3月10日、天現寺線、中目黒線を東京都に譲渡した。そして、1969年5月10日玉川線渋谷~二子玉川園、砧線二子玉川園~砧本村を廃止し、残った玉川線三軒茶屋~下高井戸を世田谷線に改称した。

 1992年11月11日、三軒茶屋再開発事業により、三軒茶屋駅を西太子堂寄りに約160m移設し、同時に世田谷線誕生時以来初めてダイヤ改正を実施した。
 下高井戸駅は京王線の橋上駅舎化の工事が行われていたが、同時に世田谷線下高井戸駅もリニューアルし、1993年10月17日に竣工した。そして、1996年11月15日に三軒茶屋駅の新駅舎が完成した。
 1998年3月1日から12月31日までの期間限定で「世田谷線散策きっぷ」が発売された。世田谷線が1日乗り降り自由な乗車券で、大人300円、こども150円。乗車券の裏は、沿線案内になっていた。


300系

 1998年11月19日に、車両更新と上町車庫の改良が発表された。車両更新は、車体を新製し、現役の車両の台車を利用するもの。2車体連接車で、幅は2.3mから2.5mに、乗降ステップを1段にすると共に車椅子対応の設備を装備、冷房も搭載される。1999年と2000年に1編成ずつ導入が予定された。上町車庫の改良は、検車庫を本線寄りに建て替え、現在1両分しかない上屋を1編成分にする。留置線を4本から3本へ変更し、足りない分は、新たに留置線を上町~宮の坂に2編成分建設する。2001年3月に竣工予定であった。
 車両更新については、まず1999年に75Fが廃車解体され、新たに製作された車体は6月26日に東急車輌から上町車庫へ陸送された。形式は300系で、7月11日から営業運転を開始している。300系への2編成目の更新として、デハ83が1999年10月、デハ84が11月で廃車となり、2000年3月に302Fが営業運転を開始している。

 三軒茶屋駅が1998年に、関東の駅百選に選定され、これを記念して1999年1月18日に「世田谷線三軒茶屋駅関東の駅百選選定記念セット」とテレホンカードが発売された。


ホーム嵩上げ

 2000年3月に、2001年夏までに全車両を300系へ更新すると発表された。7編成を300系に更新し、さらに1編成新造する。そして、ステップレスとするため、車内のステップを解消する。ホーム側では、車両の床高さに合わせてホームを嵩上げし、ホームの端にスロープを設ける。同時に上屋の増改築も実施されることになった。また、ICカードの導入も計画されている。
 2000年12月までにデハ70形が、2001年1月までにデハ80形が引退し、形式消滅した。2001年2月10日を最後にデハ150形も引退し、旧型車はすべて引退した。
 2001年2月10日の終電後に全駅のホームが嵩上げされ、2月11日から全て300系となり、ステップレスで乗車・降車できるようになった。

 2002年7月7日に世田谷線専用のICカード「せたまる」が導入された。2007年3月18日にICカード「PASMO」を導入し、2012年3月17日にはPASMO定期券を発売開始した。PASMO定期券の発売に伴い、せたまるは、2012年9月30日で取り扱い終了となった。

 2012年2月上旬から駅ナンバリングを導入している。

将来

関連リソース