東急300系

2000年5月3日
2023年4月30日更新
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301F～310F　10編成20両

　デハ70・80・150形の更新車として計画された2車体連接のセミステンレスカーである。東急車輌製造で車体が製作され、台車などの一部機器を再利用している。世田谷線初の冷房車、路面電車では日本初のステンレス車となった。2車体で形式が異なり、下高井戸寄りがデハ300A形、三軒茶屋寄りがデハ300B形である。デハ300A形にはIGBTのVVVFインバータ制御装置、ブレーキ制御装置が、デハ300B形には、電動空気圧縮機、蓄電池が搭載されている。シングルアームパンタ、車椅子リフトはどちらの形式にも搭載している。運転台は、鉄道線と同様のワンハンドルマスコンで、横には世田谷線初の自動運賃箱が設置されている。車内は、1人掛けのクロスシートになっている。車椅子用のリフト、自動放送装置、LEDの案内表示器が取り付けられている。また、バックミラーが取り付けられていない。

　301Fは、75Fからの更新車として1999年7月に登場。302Fは83Fからの更新車として2000年3月に登場した。
　当初は2編成のみ登場すると発表されていたが、2000年3月に全編成を300系へ更新し、1編成を新造すると発表された。その後、303Fが2000年6月、304Fが2000年7月、305Fが2000年10月、306Fが2000年12月、307F・308Fが2001年1月、309F・310Fが2001年3月に登場している。

諸元表

	301F～304F	305F～310F
最大寸法(長さ×幅×高さ)	23,980×2,500×3,945mm
定員(座席)	146(34)人	150(38)人
自重	30.7t
集電装置	シングルアームパンタグラフ
制御方式	IGBT-VVVFインバーター制御
駆動方式	カルダン
主電動機出力	60.0kw×4
台車	TS-332、TS-332T

車号	冷房	製造年月	製造所	現在	車齢
301F	21,000kcal/h×2	1999/7	東急車輌	現役	25
302F	21,000kcal/h×2	2000/3	東急車輌	現役	25
303F	21,000kcal/h×2	2000/6	東急車輌	現役	24
304F	21,000kcal/h×2	2000/7	東急車輌	現役	24
305F	21,000kcal/h×2	2000/10	東急車輌	現役	24
306F	21,000kcal/h×2	2000/12	東急車輌	現役	24
307F	21,000kcal/h×2	2001/1	東急車輌	現役	24
308F	21,000kcal/h×2	2001/1	東急車輌	現役	24
309F	21,000kcal/h×2	2001/3	東急車輌	現役	24
310F	21,000kcal/h×2	2001/3	東急車輌	現役	24

301F (デハ301-B－デハ301-A)

　1999年6月26日に搬入され、7月11日から営業運転を開始した。サザエさんのイラスト、マナー広告が貼られている。登場時、車掌台は最も入口扉寄りの座席を使用中止にして設けられていたが、302Fと同様に運転台に移設された。また、世田谷線の無線使用開始に先立ち、無線アンテナが取り付けられた。
　2000年12月には、デハ301-Aの屋根にデハ302-Aと同様の機器取り付け、2001年1月にはホーム嵩上げに対応するため、ドアの改造が行われている。

塗色の変遷

サザエさん

1999/7/11～、2000/7/8

玉電カラー

2005/11/26、2007/3/19、2014/2/9、2023/4/29

302F (デハ302-B－デハ302-A)

　2000年2月26日に東急車輌から陸送されて、301Fと同様に上町で本線上に載せられた。搬入時は、側面窓の下はステンレスの表面がむき出しになっていたが、水色のシールとTOPカードの広告などが貼られた。試運転を繰り返した後、3月15日から営業運転を開始した。301Fから一部変更され、車掌台が運転台の位置に変わり、屋根上には無線アンテナ、デハ302-Aにだけ新たに機器が搭載されている。
　2001年1月にホーム嵩上げに対応するため、ドアの短縮化改造が行われている。

塗色の変遷

TOPカードの広告

2000/3/15～

Qooの広告

2000/10～

モーニングブルー

2009/4/26、2010/5/22、2018/8/31

LEXUSの広告

2020/3/2～2021/3/1

「タマ&フレンズ～うちのタマ知りませんか?～」世田谷線ラッピングトレイン

2023/2/22～8/31

303F (デハ303-B－デハ303-A)

　2000年6月17日に東急車輌から陸送されて、301Fと同様に上町で本線上に載せられた。搬入時は、前側以外はステンレスの表面がむき出しになっていたが、一旦全面を青にして広告無しで6月24日に営業運転を開始した。
　2001年1月には、ドアの短縮化工事が行われ、また、広告が解除となり、青色一色となった。

塗色の変遷

クラシックブルー

2000/6/24～

SOHの広告

2000/7/1～

東急東京メトロパスの広告

2010/5/22

東急でんき供給開始記念世田谷線ラッピング車両

2018/10/1～2019/3/末

クラシックブルー

2020/6/27、2023/4/29

304F (デハ304-B－デハ304-A)

　2000年7月1日に東急車輌から陸送されて、301Fと同様に上町で本線上に載せられた。301Fよりも明るい緑色となった。生茶の全面広告車となって7月8日に営業運転を開始した。
　2001年1月に、ドアの短縮化工事が実施された。

塗色の変遷

生茶の広告

2000/7/8～

アップルグリーン

2010/5/22

住友不動産販売の広告(1)

2016/1/21

住友不動産販売の広告(2)

2016/12/9

アップルグリーン

2018/12/15、2022/10/13、2023/4/29

305F (デハ305-B－デハ305-A)

　2000年9月23日に東急車輌から陸送されて、301Fと同様に上町で本線上に載せられた。営業運転まではピンク色の車体であったが、黄緑色の「おーいお茶」の広告車になって10月7日から営業運転を開始している。
　車内の座席の配置が変更され、前寄り先頭の座席が向かい合わせの配置になり、後寄り左側のクロスシートがロングシートに変更されている。これにより、座席定員が6名増えた。また、リフトとデハ300A形の運転台真上の屋上に設置されていた機器を装備していない。
　2001年1月には、ドアの短縮化工事が実施されている。