東急デハ70形

0両 現役車なし

 1942年に登場。川崎車輛で製造されたが、デハ74と75の2両は、戦時中の資材不足のために1946年の登場となった。前面は当初3枚窓であったが、後に車掌の前方監視用にR部分に小窓が付き4枚窓となった。
 1967・1968年に「連結2人乗り」改造を受け、両運転台から片運転台化、前後のドアを2枚引き戸から1枚に改造、ドアエンジンの取り付けが行われた。1978~1982年に車体更新工事が行われ、前面をデハ80形と同じ4枚窓に、妻面を2枚窓に改造、側窓を上段下降・下段固定式に変更、ウインドシルを撤去、張り上げ屋根化した。窓枠は、当初木製だったが、1983年からアルミの木目模様入りに交換した。1984年より奇数車にSIVを取り付けた。1989年には、初代3000系の廃車発生品を利用して前照灯をシールドビーム2灯化し、妻窓を一段下降式から2枚窓、上段下降・下段固定式とした。1993年には、運転士用の椅子を取り付けた。1994年から車内警報装置を新設し、また、台車・主電動機・駆動装置を新製したものと交換を始めた。これと同時に保安ブレーキも取り付けられている。1996年までに全車に施工された。
 300系への車体更新のため、1999年にデハ75と76、2000年4月にデハ73と74、6月にデハ78、8月にデハ71と72、12月にデハ77が廃車解体され、形式消滅した。

諸元表

最大寸法(長さ×幅×高さ)13,960×2,300×3,970mm
定員(座席)100(35)人
自重偶数車:18.7t 奇数車:18.5t
集電装置パンタグラフ
制御方式間接非自動抵抗制御
駆動方式カルダン駆動
主電動機出力52.0kw×2
台車TS-332、TS-332T
車号冷房製造年製造所現在車齢備考
デハ71なし1942川崎車輌2000年8月廃車解体58300系へ更新
デハ72なし1942川崎車輌2000年8月廃車解体58300系へ更新
デハ73なし1942川崎車輌2000年4月廃車解体58303Fに更新
デハ74なし1946川崎車輌2000年4月廃車解体54303Fに更新
デハ75なし1946川崎車輌1999年廃車解体53301Fに更新
デハ76なし1942川崎車輌1999年廃車解体57301Fに更新
デハ77なし1942川崎車輌2000年12月廃車解体58300系へ更新
デハ78なし1942川崎車輌2000年6月廃車解体58300系へ更新

72F (デハ72-デハ71)

世田谷~上町 2000/7/2

 300系への更新のため、2000年8月に廃車解体された。

74F (デハ74-デハ73)

 303Fへの更新のため、2000年3月31日で運用を終了し、4月に廃車解体された。

76F (デハ76-デハ75)

三軒茶屋 1999/3/13

 301Fへ更新のため、1999年に廃車された。台車や機器が転用されている。

78F (デハ78-デハ77)

長津田検車区上町班 2000/7/2

 300系へ更新のため、デハ77は2000年12月3日の営業運転を最後に引退して解体、デハ78は2000年6月に廃車され解体された。