9701~9705 5編成10両
1997年に登場した日本初の超低床電車。ドイツのADtranz(あどとらんつ、現ボンバルディア)が開発したGTシリーズで、台車や電機品をADtranzが製造し、車体の製造と組み立てを新潟鉄工所(現新潟トランシス)が行っている。基本的に、ドイツと同じ物を装備しているため、ドイツと同様の高加速度、高減速度での運転が可能であるが、日本の規制に合わせて、性能を抑えている。
1999年3月に、2次車として9702、9703が登場した。ドイツのリース会社と15年契約で導入した車両である。そのリース費用は月約380万円で、熊本市の福祉政策として一般会計から支払われている。1次車から多くの変更がある。まず、行先表示器が幕に変更された。運転台横の扉にも整理券発行器とカードリーダーが取り付けられ、乗車もできるようになった。台車上の座席の幅が拡大され(約1.5人分)、通路が5cm拡大された。握り棒が増設されている。室内の配色が白からベージュになった。運転台では、スイッチ類の配置変更、日除けをカーテンからアクリルボードへ変更している。エル・パーサー関連として、室内ミラーの設置、車掌台の座席使用禁止棒の取り付け位置変更が行われている。塗色は白一色で、ダイムラークライスラーの広告が窓下に書かれている。
2001年3月には3次車が登場した。9704、9705の2編成で、2次車からさらに変更箇所がある。制御装置、モニタが国産化された。冷房装置の室内機が風洞式になり、運転席用冷房装置が廃止されている。
0803の登場に合わせて、9700形が2015年度から順次車体のデザインを変更する。車体は白をベースに、窓周りが濃い茶色のメタリックとなる。
諸元表
最大寸法(長さ×幅×高さ) | 18,550×2,350×2,940mm |
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床面高さ(出入台以外) | 300(360)mm |
最小通路幅 | 776mm |
自重 | 21.0t |
定員(座席) | 76(24)人 |
集電装置 | シングルアームパンタ |
制御方式 | IGBT-VVVFインバーター制御 |
運転台 | ワンハンドル |
駆動方式 | カルダン |
主電動機出力 | 100.0kw×1 |
台車 | (独立車輪) |
設計最高速度 |
車号 | 冷房 | 製造年月 | 製造所 | 現在 | 車齢(年) |
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9701 | あり | 1997/7 | 新潟鉄工所、ADtranz | 現役 | 27 |
9702 | あり | 1999/3 | 新潟鉄工所、ADtranz | 現役 | 25 |
9703 | あり | 1999/3 | 新潟鉄工所、ADtranz | 現役 | 25 |
9704 | あり | 2001/3 | 新潟鉄工所、ボンバルディア | 現役 | 23 |
9705 | あり | 2001/3 | 新潟鉄工所、ボンバルディア | 現役 | 23 |
9701 (9701A-9701B)
1997年8月1日から営業運転を開始した。行先表示器はLEDである。製造費用2億2,0000万円のうち、自治省から6,000万円の補助金が出ている。
1999年4月15~23日まで、2次車に合わせた改造を行い、運転台横の扉からも乗車できるように整理券発行器が取り付けられた。
1999年7月に、乗車用ワンマン装置が増設されている。
機器の故障により2012年頃から運用から外れていたが、2019年10月1日に営業運転に復帰した。新製した制御機器に交換し、行先表示器をフルカラーLED化、塗色を一部変更している。
塗色の変遷
9700形1次車色 (1)
熊本市の広告
9700形1次車色 (1)
2009/8/27、2017/3/7
9700形1次車色 (2)
9702 (9702A-9702B)
1999年4月に登場した2次車。1999年3月29日に搬入され、4月15日から営業運転を開始した。
塗色の変遷
9703 (9703A-9703B)
1999年4月に登場した2次車。1999年3月29日に搬入され、4月15日から営業運転を開始した。
塗色の変遷
DAIMLER CHRYSLERの広告
9700形2次車色
9704 (9704A-9704B)
2001年3月に登場した3次車。
塗色の変遷
パト電車(1)で、ゆっぴー号
パト電車(2)
パト電車(3)
パト電車 (4)
9705 (9705A-9705B)
2001年3月に登場した3次車。